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原子力発電所を廃止し、自然エネルギーへの転換を求める決議

第1.福島第一、第二原子力発電所事故の発生とその被害

2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、東京電力福島第一原子力発電所・同第二原子力発電所(以下「福島第一原発」、「福島第二原発」といい,原子力発電所のことは「原発」という)は巨大地震及び大津波に襲われ、福島第一原発では原子炉冷却機能の喪失、炉心溶融(メルトダウン)、そして原子炉建屋の水素爆発に至り、極めて大量の放射性物質が外部に放出される結果となった。

この事故により福島第一原発から放出された放射性物質は、周辺環境に広範囲に飛散・流出し、福島県内外の広範囲の地域が放射性物質により汚染され、現在もなお福島県内外の多くの市町村において、平常値を大きく上回る環境放射線量が観測されている。

その結果、福島第一原発周辺の多くの福島県民が、着の身着のままで住み慣れた土地からの避難を余儀なくされ、明日への展望すら見いだせない不安と絶望に満ちた過酷な生活を強いられている。その避難先は全国各地に散らばり、地域のコミュニティは崩壊の危機に瀕し、自治体の存立すら危ぶまれる地域もある。

また、東北・関東地方の広い範囲で牛肉や茶葉、水産物の汚染が判明するなど、放射性物質による汚染は、東日本全域の農畜産業、水産業、商工業、観光業ほかあらゆる業種に極めて深刻な被害をもたらした。

このように、福島第一原発事故は、極めて甚大かつ広範囲にわたる被害をもたらし、ひとたび事故が発生した場合、その被害が極めて深刻なものとなることを、これ以上ないほどに明確に示した。

第2.国のこれまでの原子力発電促進政策とその誤り

これまで日本では、国の主導の下、原子力発電は、少資源国には欠かせないエネルギー源であること、電力の安定供給に資すること、地球温暖化対策に寄与すること等を謳い文句に、積極的に推進されてきた。また、電気事業者は、これまで、巨大資本と絶大な社会的影響力を背景に、マスコミなどのメディア媒体を利用して、原発の安全性を宣伝し、広範なPA(社会的受容)活動を繰り返し行ってきた。国や立地自治体もこの動きをフォローする独自の広報活動を展開してきた。

その結果、国民や地域住民の中に誤った“原発安全神話”が浸透し、狭い国土に全国で54基もの原子炉が作られ、2009年(平成21年)の時点で電力供給量の約29%を原子力発電が占めるに至った。しかし、今回の福島原発事故は、“原発安全神話”の誤りを白日の下に晒し、国内全ての原発の危険性と、その結果引き起こされる原発事故の被害の甚大性を明らかにしたのである。

第3.原発からの撤退と自然エネルギーの促進

今回のような原発事故は、最大級の人権侵害であり、絶対に容認できず、原発の絶対的な安全性が確保できない以上、二度とこのような原発事故を起こさないためには、全ての原発を廃止し、原子力政策から撤退する他方法はない。

そして、原子力から撤退した後のエネルギー政策については、化石燃料(石油、石炭、天然ガス)は、地球温暖化の危険性を増大させることから、過渡的エネルギーと位置づけ、自然エネルギーの推進、省エネルギー、エネルギー利用の効率化を政策の中核とすべきである。

当会も、この度福島県弁護士会館に太陽光発電設備を設置することとしたが、さらに今後も会員が積極的に節電に取り組むなどして、率先して自然エネルギーを推進し、省エネルギーを実践していく決意である。

以上のことから、当会は、国及び東京電力株式会社ほか原発を有する電力会社等に対して、次のことを求める。

1.福島第一原発及び福島第二原発のすべての原子炉を廃炉にするとともに、全国の原子力発電所については、新増設を停止し、既設のものは段階的に廃止すること。

2.今後のエネルギー政策は、自然エネルギーの推進、省エネルギー及びエネルギー利用の効率化を政策の中核とすること。

以上,決議する。

2011年(平成23年)08月20日
福島県弁護士会
会長 菅野 昭弘

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