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安全保障法制立法に反対する決議

安全保障法制立法に反対する決議

 安倍内閣は,2014年(平成26年)7月1日に「国の存立を全うし,国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」を閣議決定し,閣議決定と同時に発表された「自衛の措置としての武力の行使の新三要件」の下での集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈をとる等の方針のもと,これを具体的に立法化する作業を続けてきたが,第189回通常国会に安全保障法制関連法案(「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」案及び「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」案)を提出した。

しかし,戦力の不保持を謳った日本国憲法の解釈として,これまで歴代内閣が一貫して述べてきた見解は,我が国に対する武力攻撃が行われた場合であって,これを排除するのに他に適当な手段がないとき,この急迫不正の侵害を排除するため最小限度の実力に限って行使する個別的自衛権に限られるというものであった。集団的自衛権の行使は,我が国や国民に対する武力行使と同視しえないものに対して武力行使による排除を認めることであり,従前の政府見解の下で許されるとされてきた必要最小限度の範囲を大きく逸脱するものであって,現行憲法の解釈として許されない。内閣が,このような現行憲法を逸脱した見解を前提に,安全保障法制の整備を行おうとすることは,戦後70年にわたって我が国が掲げてきた恒久平和主義の国是を無にするものである。さらに,内閣が憲法によって与えられた権限を逸脱する行為に及ぶことは,国民が憲法によって国家機関に対し一定の権限を授権し,これを超える行為を許さないことで人権を保障するという,近代立憲主義の基本理念にも背くものにほかならず,断じて看過できない。

また,国会が,このような違憲の内容を含む法案を可決することは,やはり,憲法により与えられた権限を逸脱する行為である。したがって,国会は,違憲の法律案を可決すべきではなく,自らの責任に基づいて法律案が憲法に適合するか否かを審査すべきである。

よって,当会は,
(1) 内閣に対し,
ア 2014年(平成26年)7月1日閣議決定「国の存立を全うし,国民を守るための切れ目のない安全保障法制 の整備について」は,日本国憲法の解釈の限界を超えているものであるから,これを撤回すること
イ 2015年(平成27年)5月14日閣議決定の安全保障法制関連法案(「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」案及び「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」案)は違憲であるから,国会に提出した両法案を撤回すること
ウ 安全保障法制の法律案及び政省令の制定改廃,解釈及び運用においては,憲法により認められる範囲を厳格に守ること
を,
(2) 国会に対し,内閣が2015年(平成27年)5月15日に提出した安全保障法制関連法案は違憲であるから,これを可決しないこと
を,強く求める。
以上のとおり決議する。

   2015年(平成27年)5月30日

                  福島県弁護士会

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