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福島第一原子力発電所事故の長期避難者に対する被災者生活再建支援法の適用を求める会長声明

福島県双葉郡浪江町は,本年4月10日,国及び福島県に対し,「東日本大震災に起因する原発事故による長期避難世帯を被災者生活再建支援法の長期避難世帯と認めることの要望書」を提出した。当会は,その趣旨に賛同し,要望を支持するものである。

そもそも,被災者生活再建支援法(以下「支援法」という。)は,自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた者に支援金を支給する制度であり(支援法第1条),東日本大震災においても被災者に対する基本的かつ重要な支援策と位置づけられている。その支援対象は,家屋被害を受けた世帯だけでなく,県知事が認定する長期避難世帯も含まれる。したがって,長期避難を余儀なくされている多くの避難者に対しては,本来,支援法による救済が強く期待されるところである。

ところが,本日現在,福島県は,県内の一部のがけ崩れ地域を長期避難世帯と認定するにとどめ,福島第一原子力発電所事故(以下「本件原発事故」という。)によって長期避難を余儀なくされた被害者を,長期避難世帯認定の対象外とし,支援金を支給していない。これは,支援法の支援対象を自然災害の被害者のみとし,本件原発事故は東京電力株式会社が引き起こした人災であって,自然災害ではないとする,国の狭い限定解釈に,福島県が依拠していることが原因であると思われる。

確かに,当会も再三指摘してきたように,本件原発事故は人災であるというべきであるが,その被害者は,自然災害による被災者でもあり,支援法の目的が自然災害によってその生活基盤に著しい被害を受け,経済的理由等により自立して生活を再建することが困難な被災者に対し,その自立した生活の開始を広く支援するところにあることからすれば,本件原発事故による長期避難世帯を対象外とするような限定解釈は狭きに過ぎるものと解される。

本件原発事故による避難者は,避難生活の長期化により,生活資金が枯渇しつつある。福島復興再生支援特別措置法及びいわゆる原発事故子ども・被災者支援法による生活再建施策も早急に進められるべきは当然として,本件原発事故による長期避難者が置かれた現状に鑑みれば,支援法を弾力的に運用して早期に支援金を支給することにより復興を後押しすることも検討されるべきである。

よって,当会は,前記浪江町の要望を支持しつつ,国及び福島県に対し,福島県における本件原発事故による長期避難世帯の認定を積極的に行い,支援法に基づく支援金の支給による救済を進めることを求めるものである。

2013年(平成25年)05月20日
福島県弁護士会
会長 小池 達哉

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