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最低賃金額の大幅な引上げ及び地域間格差の是正等を求める会長声明

最低賃金額の大幅な引上げ及び地域間格差の是正等を求める会長声明

 2025年8月、中央最低賃金審議会は、令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について、厚生労働大臣に対し、全国加重平均63円の引上げ(全国加重平均1118円、引上げ率6.0%)を答申した。これに基づき各地の地方最低賃金審議会において地域別最低賃金額が決定され、最終的には全国加重平均66円の引き上げ(全国加重平均1121円、引上げ率6.3%)となった。
 この結果、すべての都道府県で最低賃金額が1000円を超えるようになり、福島県においても、955円から1033円(引上げ額78円、引上げ率8.2%)と、引上げ額・引上げ率とも全国加重平均を上回る引上げが実現されたのは、大いに評価されるべきである。
 他方、最低賃金額において最も高い東京都(1226円)との差はいまだ193円あり、小さくない格差が残されたままである。労働条件の基盤となるべき最低賃金額の格差が地方と都市部との間で生じていることは、ひいては大幅な収入格差となって、地方から都市部へ若者が流出する要因の一つでもあり、地方の地域経済に悪影響を与えている。中央最低賃金審議会でも目安制度の改革を行っているが、是正が進んでいない状況を踏まえるならば、全国一律最低賃金制度の実現に向けて動き出すべきである。
 また、発効時期についても、最低賃金の発効は従前は大半の都道府県で10月初旬とされていたが、2025年は10月初旬に発効した都道府県はわずか13にすぎず、福島県を含む6県は2025年中の発効がかなわず越年での発効となった。この点も望ましくはなく、発効日に関する一定の規制が必要である。
 他方で、最低賃金額の大幅な引上げは、中小企業の経営に与える影響が大きいことから、抜本的な中小企業支援策を併せて実行することが必要である。今後、さらに最低賃金額を引き上げていくにあたっては、独占禁止法及び中小企業受託取引適正化法をこれまで以上に積極的に運用し、中小企業とその取引先企業との間で公正な取引が確保され、人件費等の経費の増加が適正に取引価格に反映できるようにすべきである。また、従来の業務改善助成金に加えて、社会保険料の事業主負担分の減免であるとか担税力に応じた税制の再構築といったことも不可欠である。
 以上より、当会は、中央最低賃金審議会に対し、全国の最低賃金額を大幅に引き上げるよう答申すべきこと及び地域間格差を是正するため全国一律最低賃金制度の実施に向けた提言を行うことを求めるとともに、国及び地方自治体に対し中小企業への抜本的な支援策を実行すること、並びに福島地方最低賃金審議会に対し、引き続き大幅な最低賃金額の引上げを実行し、かつ、すみやかに発効させることを求める。

2026年(令和8年)6月18日
福島県弁護士会
会長   渡 辺 慎 太 郎