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セクシュアルマイノリティに対する偏見や差別をなくし、性的指向または性自認にかかわらず人権が保障され、すべての人が自分らしい生活を送ることができる地域社会を作ることを求める決議

 性的指向及び性自認といった性のあり方は多様なものであり、これらは個人の人格の根幹に関わるものであるにもかかわらず、セクシュアルマイノリティ当事者はその性的指向または性自認を理由に様々な偏見や差別にさらされ、法制上、教育、雇用、医療、社会保障などあらゆる分野において困難に直面している。
この問題を解決するために、まず必要なことは、すべての国民が、性的指向や性自認に関する問題が、あらゆる人が生まれ持った権利、すなわち人権に関わる問題であること、性的指向及び性自認を理由とする差別的取扱いが人権侵害にあたり許されないことをあらためて認識することである。
ところで、我が国における法制上、異性間(法律上の異性を指す。以下同じ。)の婚姻のみが認められ、同性間(法律上の同性を指す。以下同じ。)での婚姻が認められていない。これは、性的指向が同性に向く人々の婚姻の自由を侵害するものであり、また性自認が法律上の性と異なる者については、その者が自身の法律上の性と同じ性の者と婚姻を望む場合には、自身の性の変更を強いるものである。このようにセクシュアルマイノリティ当事者は、パートナーとの婚姻を希望しても、婚姻を選択することができない又は法律上の性の変更を強いられる等の重い負担があり、性的指向が異性間に向く者同士の婚姻と同様の法的保護を受けている状況とは言えない。
 当会は、性的指向や性自認にかかわらず、すべての人の人権が保障され、自分らしい生活を送ることができる地域社会を実現するため全力を尽くすとともに、国、福島県及び県内各市町村に対し、性的指向及び性自認に関する問題が人権に関する問題であることをあらためて確認するとともに、以下のとおり求める。

1 国、福島県及び県内各市町村は、議会の議員、国及び地方公共団体の職員並びに住民に対してセクシュアルマイノリティに関する教育・周知啓発活動を行い、理解の促進に努めること

2 国、福島県及び県内各市町村は、教育、雇用、医療、社会保障などあらゆる分野において、性的指向や性自認にかかわらず、誰もが自己決定権に基づき、自由に生き方を選択できるよう施策を講ずること

3 国は、同性間の婚姻を認め、これに関連する法令の改正を速やかに行うこと

4 福島県及び県内各市町村は、同性パートナーシップ条例の制定を速やかに行うこと

 以上のとおり決議する。

2022年(令和4年)2月25日
福島県弁護士会
会 長  吉 津 健 三

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