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秋田弁護士会所属会員殺害事件に関する会長声明

本年11月4日午前4時5分頃,秋田弁護士会所属の弁護士が,同弁護士の自宅を訪れた男性から上半身を刃物で刺され,死亡するという事件が発生した。

同弁護士は,秋田弁護士会会長,東北弁護士会連合会副会長などを歴任し,現在は日本弁護士連合会消費者問題委員会委員長を務めるなど,消費者問題を中心に精力的に弁護士活動に取り組んでいたところ,その貴重な人命が本件のごとき凶行により奪われたことに深い悲しみを禁じ得ない。当会は,同弁護士のご冥福を祈り,ご遺族に対して心から哀悼の意を表する。

本件の詳細は未だ明らかになっていないが,弁護士業務に関連する疑いが強い。弁護士は,弁護士法第1条に規定されているとおり、基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命としているが,このような使命の実現は,弁護士活動の安全が確保され,自由な弁護士活動を行うことができる環境があって初めて実現されうるものである。弁護士が,受任事件に関連して,その関係者から生命身体に危害を加えられることは,弁護士制度及び法秩序に対する重大な挑戦であり,弁護士の職務に対する破壊的行為であって,司法制度全体に対する挑戦と言うべきで,断じて許すことができない。

当会は,このような暴力行為を強く非難し,今後も,弁護士に対する業務妨害に一致団結して毅然と対処し,かかる暴挙にひるむことなく,弁護士の使命である基本的人権の擁護と社会正義の実現のために,全力を尽くす決意であることをここに表明する。

2010年(平成22年)11月05日
福島県弁護士会
会長 高橋 金一

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