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安全保障法制の可決に抗議する会長声明

安全保障法制の可決に抗議する会長声明

 安倍内閣の提出したいわゆる「平和安全法制整備法」及び「国際平和支援法」(以下,併せて「本法」という。)の両法律案は,本年7月16日,衆議院本会議が可決したことに続けて,9月19日未明,参議院本会議が可決し,本法は成立した。

本法は,歴代内閣がこれまで一貫して憲法9条に反し許されないとしてきた集団的自衛権の行使を可能にし,日本に対する武力攻撃がなくても,自衛隊の国外での武力行使を認めるものである。これは,「憲法第9条の下において許容される自衛権の行使は,我が国の防衛のための必要最小限度の範囲にとどまる」との従前の政府解釈を事実上放棄しこれを逸脱するものであり,国際紛争解決の手段としての武力行使を放棄する憲法9条に明らかに違反する。また,本法は,政府解釈の変更や立法によって憲法9条,特に同条2項の改正と同様の結果をもたらそうとするものであって,憲法改正には通常の法律制定とは異なる厳格な手続を要すると定めた憲法96条を僭脱し,憲法によって国家権力を制限して国民の人権を保障する立憲主義を根本から掘り崩すものである。

当会は,このような観点から,これまで,2014(平成26)年5月31日付「憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認することに反対する決議」,本年5月30日付「安全保障法制立法に反対する決議」,本年8月4日付「安全保障法案の衆議院採決の強行に抗議し,同法案の廃案を求める会長声明」を順次発出して,繰り返し,集団的自衛権の行使や本法の違憲性を指摘してきた。また、安全保障法制に反対する街宣活動を行ったり、安全保障法制に反対する県民集会を開催したりして、これらに反対する意思を表明してきた。日本弁護士連合会や全国の弁護士会,さらに圧倒的多数の憲法学者等の専門家も,本法の違憲性ないし違憲の疑いがあることを指摘してきたところである。また,各種世論調査においても,本法に関する政府の説明は不十分である,今国会での成立に反対との意見が多数出されている。

しかるに,内閣は,再三にわたり法律家や憲法学者によりなされてきた違憲であるとの警告も,多数の国民の意見も無視して,本法の法律案を撤回せず、国会とりわけ与党は,議論が尽くされたなどとして採決し,本法を可決成立させたのである。

いかに国会が可決成立させた法律であっても「国の最高法規」たる憲法の「条規に反する法律,命令,詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は,その効力を有しない」(憲法98条1項)のである。本法は,まさに憲法9条に違反する,違憲無効の法律である。

当会は,立憲主義を蔑ろにして,このような違憲無効の法律案を提出した内閣及びこれを可決成立させた国会に対し,最大限の抗議を行うものである。

2015年(平成27年)9月19日
福島県弁護士会
会 長 大 峰  仁

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