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東北地方太平洋沖地震にあたり福島第一・第二原子力発電所については廃炉を含めた可及的速やかなる実効的措置及び被災者等への十分な補償を求める会長声明

本年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。

マグニチュード9.0という国内観測史上最大の大地震及びこれに伴う巨大津波により,福島県内でも極めて多数の死傷者が発生し,未だ多くの方々の行方が判明しておりません。

さらに,東京電力の発電量の25.7%(2010年10月実績)を占める福島第一及び第二原子力発電所(以下「本県原子力発電所」といいます。)は現時点で,第一原発の1,2及び3号機が国内最悪の評価を受ける程甚大な事故を起こし,放射性物質が拡散し,極めて憂慮すべき事態に陥っています。県民の多くが避難を余儀なくされ,病人に対する充分な医療も行われず,風評被害などにより充分な物資が県民の手元に届かないなど,県民全てが極めて不自由な生活を強いられています。

当会は,東北地方太平洋沖地震の被災者の救済と震災からの復興のための活動を行い,もって被災地域の市民の人権を擁護するため,震災復興対策本部を設置し,被災者の方々が法的支援等を受けられるよう,法律相談等の体制整備にあたる所存であり,また,日本弁護士連合会,東北弁護士会連合会,各弁護士会連合会,各弁護士会,裁判所,検察庁及び日本司法支援センター等関係機関と連携し,被災者の方々に対する法的サービスの提供等に尽力していく所存です。

しかしながら,福島県においては,まずは本県原子力発電所の事故が収束されなければならず,そのためには,本県原子力発電所の廃炉を含め抜本的措置が検討されなければなりません。また,本県原子力発電所の事故によって,数多くの県民が避難を余儀なくされ,あるいは風評被害等によって甚大な損害を被っています。

当会は,政府,福島県及び東京電力株式会社に対し,県民に対し正確な情報を迅速に提供すること,県内の隅々まで医薬品や燃料等の生活物資を行き渡らせるよう搬送体制を整備すること,県民にこれ以上犠牲を強いることなく,福島第一原子力発電所については廃炉の方針を継続し,同第二電力発電所については廃炉を含めた検討を含め,本県原子力発電所の事故を収束し県民の安全を確保するため可及的速やかに実効性ある措置を講ずること,そして,本県原子力発電所の事故により甚大な被害を被った県民に対し十分な補償措置を講ずるよう,強く求めます。

2011年(平成23年)03月22日
福島県弁護士会
会長 高橋 金一

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